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最初の星の光、フェルミ衛星で測定 [宇宙]

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ビッグバンから数億年の間、宇宙は全くの暗闇だった。そして、そこに光が現れた。NASAのフェルミ・ガンマ線天文衛星を用いて、宇宙最初の星が誕生した時代にかつてないほど迫った最新研究が発表された。

 遠い昔に放たれた高エネルギー放射線のジェットから収集したデータによって、ビッグバンの早くも5億年後には星が存在していたことが判明したという。宇宙の起源であるビッグバンは今から約137億5000万年前に起こった。

 研究ではさらに、誕生5億年後の宇宙に存在した光量の上限と下限、ひいては初期の星の大きさと数が特定された。当時存在した星の数はごく少ないことが明らかになった。

「最初期の星が光を放ち始めた時期まではまだ特定できていないが、その時代の宇宙を垣間見ることに成功した」と、研究共著者でスタンフォード大学の天体物理学者であるマルコ・アジェッロ(Marco Ajello)氏は述べる。

 今回の発見は、最初期の星の形成時期特定に一歩近づくものだ。特定されれば、最初の光が現れる以前の暗黒時代、そしてすべてに先駆けるビッグバンに新たな光が当てられることになる。

◆宇宙の“霧”を測定

 今回のデータは、長年理論化されてきた「銀河系外背景光」(宇宙で発せられた星の光の総和)を史上初めて直接測定することによって得られたものだという。その発生源に関する情報を含んだ「可視光および紫外線は星から放たれ、星が輝きをやめた後もなお宇宙を移動し続けて、それが光の“化石”になっている」とアジェッロ氏は説明する。

 この光を測定するのに、研究チームは「ブレーザー」(激光銀河)を利用した。ブレーザーとは、中心にあるブラックホールから放たれる高エネルギーのジェットがまっすぐ地球の方向を向いているために、非常に明るく見える太古の銀河だ。

 研究チームによると、ブレーザーのジェットに含まれるガンマ線(高周波の電磁放射線)は、たとえるなら銀河系外背景光という“霧”の中を通る灯台の光なのだという。宇宙を高速で移動するガンマ線は、この星の残光と衝突し、エネルギーの一部を失う。したがって、ガンマ線をほとんど失ったブレーザーは、特に古いものということになる。

 この古いブレーザーからのガンマ線を利用して、フェルミ・ガンマ線天文衛星は銀河系外背景光の霧の“濃さ”を測定し、ビッグバンから5億年後の光までさかのぼった。星そのものを測定することはもはや不可能なため、その代わりというわけだ。

◆最初期の恒星までさかのぼる

 今回の研究は、天体物理学者ジャスティン・フィンキ(Justin Finke)氏いわく「最初期の恒星までさかのぼる」国際的な共同プロジェクトの一環だという。

 この「さかのぼる」取り組みに参加している天体物理学者には、ハーバード大学の天文学部長アビ・ローブ(Avi Loeb)氏もいる。ローブ氏によると、最新研究のアプローチは「斬新」かつ「説得力がある」という。

 またこの研究成果は、初期宇宙には星が比較的少なかったという説をさらに裏付けるものだとローブ氏は言う。同氏はまさしく初期の星形成についての教科書を執筆したところで、同書は年内に刊行予定だ。「銀河の直接観測によって、ビッグバンから10億年以内に形成された星は、現在宇宙で観測される星の1%未満だということが判明している」。

◆いずれは直接観測も

 ビッグバンから4億年間の暗闇の時代は、いわば科学上のブラックボックスとなっている。星の形成、ひいては光が宇宙に生じた過程をより正確に解き明かしていくことは、NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡をはじめ、2010年代末までに設置予定の複数の高性能大型望遠鏡が達成すべき課題となる。

 フェルミ望遠鏡が出している成果は、将来の研究成果の「基礎を築いている」と、テキサス大学オースティン校の天文学者ボルカー・ブロム(Volker Bromm)氏は言う。「簡単に言うと、フェルミは将来ウェッブが直接観測するであろう最初期の星の“シルエット”を見せてくれているわけだ」。

 今回の研究は11月1日付で「Science」誌オンライン版に発表された。

Image courtesy Fermi LAT Collaboration/DOE/NASA


キュリオシティ、火星の土を採取 [宇宙]

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火星の砂地に残ったキュリオシティによる土壌の採取跡。NASAの無人探査機キュリオシティが、自身に搭載のマストカメラで、仕事の証拠を撮影した。

 最初のサンプル土壌は、10月7日に「ロックネスト」と名付けられた岩場から採取。10月15日に採取された3回目の土壌サンプルからはX線を使った分析装置にかけられ、土壌の鉱物組成や結晶構造を調査した。

 分析の結果、火星の土壌に含まれる結晶構造は、ハワイなどのような火山帯に多く存在する玄武岩質の土壌によく似た鉱物だったことがわかった。

 今後2年間に及ぶミッションの間に、キュリオシティはゲイル・クレーター内の領域がかつて微生物の生息に適した環境条件を備えていたかどうか調査する予定だ。

Photograph courtesy NASA

砂丘で聞こえる“鳴き砂”の秘密に迫る [海外]

中国で砂の音を聞いたマルコ・ポーロは、悪霊が発していると考えたという。チリ北部のコピアポに住む人々は、砂丘から聞こえるその音を「El Bramador(捻るもの、吠えるもの)」と呼んだ。


 現在では、この音は「鳴き砂」と呼ばれている。砂粒が砂丘の斜面を流れる際に、うなるような音が数キロ先までこだまする現象である。場合によっては一度に複数の音程(周波数)が聞こえる場合もあるが、その仕組みや、砂丘によって音が異なる理由もいまだに解明されていないという。

 だが、パリ・ディドロ(第7)大学の3人の生物物理学者チームが、その一端を解明した。研究によると、詳細はまだ判明していないものの、音程を左右するのは砂の動きだけではなく、砂粒の大きさも重要な役割を果たしていることがわかったという。

 同チームはモロッコとオマーンの砂丘で、それぞれの鳴き砂の音を分析。その結果、モロッコでは105ヘルツ(Hz)の音が、オマーンでは90~150ヘルツ(Hz)の9音が含まれていることがわかった。

 さらにチームは、モロッコの砂を50キロ、オマーンの砂100キロを研究室に持ち帰った。「音を調べるためには相当な量が必要だった」と、研究チームを率いるシモン・ダゴワ・ボーイ(Simon Dagois-Bohy)氏は話す。

◆砂丘の砂の流れを再現

 研究室内で砂の流れを小規模で再現し、砂流の速度、深さ、砂粒を解析した。すると音程が1つのモロッコの砂粒は、直径160ミクロン(100万分の1メートル)程度でほとんど同じ大きさだが、複数音のオマーンの砂粒は150~300ミクロンの間でばらつきがあった。

 200~250ミクロンに選り分けた場合は、音程が1つになったという。「砂粒の大きさによって実際の音が決まるようだ」とダゴワ・ボーイ氏は結論付けている。

 研究チームは、砂丘の斜面を砂が流れる際に砂粒同士がぶつかって混ざり、一定の衝突の流れが生まれると推測している。大きな砂粒はゆっくり動き、小さな砂粒は速く動く。

 それぞれの衝突が生む音はきわめて小さく、聞き取ることはできない。しかし特定の条件下では、「無数に重なり合って鳴き砂の音を生む」と共同研究者のステファン・ドゥアディ(Stephane Douady)氏は語った。現在、チームはその正確な条件を突き止めようと研究を続けているという。

 今回の研究結果は、「Geophysical Research Letters」誌オンライン版に10月26日付けで掲載されている。

アルプスで1500年前に津波? [海外]

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ある古い記録には、およそ1500年前、スイスのジュネーブに大規模な洪水が発生し、一帯のすべてが押し流されたとの記述がある。水車小屋や家屋、牛、さらには教会堂までもが跡形もなく消えたという。


 最新の研究から、ついに驚きの真相が明らかになった。アルプス山脈で「津波」が発生していたのだ。専門家は「現在も危険性がある」と指摘している。

 当時、一大交易拠点だったジュネーブをなぜ津波が襲ったのか。きっかけは巨大な地滑りだという。

 ジュネーブはレマン湖の南西岸に位置する。東西に細く伸びる湖に対し、東からローヌ川が流れ込み、西へと抜けていく。したがって、ローヌ川で大規模な地滑りが起きると、レマン湖に大波が生まれる。海から遠く離れたこの地でも、地震津波とよく似た災害が発生するのだ。

 研究チームは、ローヌ川が流れ込むレマン湖最東部の湖底から大量の土砂堆積を採取。分析の結果、本来は地上にあった岩石が一斉にローヌ川に滑り込んだと判明した。

 地滑りで生まれた津波は、長さ72キロ、面積580平方キロの湖を疾走、西端のジュネーブに襲いかかる。研究チームによると、津波の高さは3~8メートルと推定される。落石の速度によって変化するが、計測不能のため、これ以上正確な値は出せないという。

◆狙われるジュネーブ

 アルプスの津波は、決して過去の出来事ではない。同様の事態が起きれば、ローザンヌ、ニヨン、トノンレバンなど、スイスの多くの都市が影響を受けるだろう。中でも最も危険度が高いのは、やはりジュネーブだ。

 ジュネーブには大手金融機関や国際機関があまたあり、およそ20万人が暮らす。そして、その住居はレマン湖に近い低地に集中している。さらに、湖はジュネーブに近づくにつれて幅が狭くなり、漏斗効果によって津波が増幅する。

 現在、ジュネーブを津波が襲う兆候はみられないという。しかし、ジュネーブ付近から氷河が後退してから、何回も大規模な洪水が発生している事実も明らかになった。

 研究チームの一員でジュネーブ大学の地質学者ガイ・シンプソン(Guy Simpson)氏は、「氷河がなくなった後、5~6回は津波が起きている。今後も可能性があると考える方が妥当だ」と話す。「現代のジュネーブにとっては、3メートルの津波でも脅威になるだろう」。

 今回の研究成果は、「Nature Geoscience」誌オンライン版に10月28日付けで掲載されている。

ヒトの脳は加熱調理で進化した? [科学]

最新の研究によると、およそ180万年前に人類の脳のサイズが急激に大きくなったのは、加熱調理の登場が直接影響しているという。


 現生人類の祖先と考えられているホモ・エレクトスは、加熱調理を覚えて、60万年の間に脳が2倍に進化した。ゴリラやチンパンジーなど大型類人猿は、体の大きさはヒト属とそれほど変わらないが、未加工の食料しか食べないので、脳の拡大が起きなかった。

 研究チームの一員で、ブラジルにあるリオデジャネイロ連邦大学、生物医科学研究所(Institute of Biomedical Sciences)の神経科学者スザーナ・エルクラーノ・アウゼル(Suzana Herculano-Houzel)氏は、「真に人間を人間たらしめたものは、“火の利用”ではなく“火を使った調理”だ」と話す。

◆未加工食料による限界

 エルクラーノ・アウゼル氏の研究チームは、さまざまな霊長類の体と脳の質量を測定し、カロリー摂取量や食事時間と比較した。その結果、予想通り、カロリーと体重の間に直接的な相関関係が認められた。つまり、大きく成長するためには、たくさん食べなければならない。

 しかし、1日の時間は決まっているから、体の大きさには限界がある。食料を探す時間が必要だし、食事そのものにも時間がかかる。「一番大きな類人猿のゴリラでも体重200キロくらいが上限で、キングコングにはならない」とエルクラーノ・アウゼル氏は話す。

 そして脳は、体の中で最もカロリー消費効率が悪い組織だ。「もともと十分な栄養を採れない類人猿は、脳と体を同時に大きくすることはできない」。

 もちろん、人類にも不可能だ。しかし、進化の道のりの中で「脳」と「体」の分岐に立った時、人類は「脳」の道を選んだ。「大脳化」と呼ばれる進化経路だ。こうして、人類は体の大きさに比べて極端に大きな脳を手に入れることになった。

「そこでカギを握るのが加熱調理だ」とエルクラーノ・アウゼル氏は話す。

 加熱調理で食料から摂取できる栄養分が増え、さらに、やわらかくなるので食事時間も減る。こうして、人類は大きな脳を発達させ、エサをかむことよりもほかのことに時間を利用できるようになった。

 空いた時間で、もっと上手な狩りのやり方、もっと楽しい生き方に思いをめぐらし、さまざまな文化、芸術、原始的な技術を生み出せるようになった。「人間らしさ」の誕生だ。

◆進化か退化か?

 しかし、加熱調理に「人間らしさ」を求める考えに対しては反論があり、現代の病気を防ぐには「原始的」な食べ方の方が良いという人もいる。

 例えば、未加工食事の支持者は、食事の準備をまったく行わない。ゴリラと同じように、生のフルーツや野菜をそのままむしゃむしゃと食べるだけだ。

 カロリー過多で、あまりに食べやすい食事ばかり好むと、健康に害が及ぶことは間違いない。砂糖と加工食品の過剰摂取は、肥満、高血圧、糖尿病、心臓病といった病気につながる。

◆原始人の食事

 中には「現代の食生活から健康問題が発生するのは、人類という種が砂糖や加工食品に適応できていないからだ」と論じる者もいる。

 人類にとっては、狩猟採集民としての歴史の方がはるかに長い。現代人も、洞窟で暮らした原始時代の祖先のような食生活の方が適しているというのだ。

 どちらの食生活の方が適しているのかという点は、科学的にその是非を検討する必要がある。しかし現代の医学では、乳製品と穀物を欠くと体には危険だと考えられている。洞窟で暮らした祖先たちは平気だったのかもしれないが、その寿命は決して長くなかったことが知られている。

◆これからの食事

 大昔の食生活に戻れば、過剰摂取による現代病とは無縁で生活できるだろう。一方、加熱調理が人類の進化をもたらした原動力であることも確かだ。

 では、これからの食事のあり方はどうなるであろうか。人類にはまだ進化する余地が残されているのだろうか。

 エルクラーノ・アウゼル氏は、「人間の脳の大きさは、まだ限界に到達していない」と話す。同氏によると、体の方は過去200~300年の間に大きくなっており、これは、食生活が変化し、栄養分の摂取量が増加したためだという。

「脳はまだまだ大きくなるだろう。美食を取るか、適切な食事を取るか、それが問題だ」。

 今回の研究成果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌オンライン版に10月22日付けで掲載されている。

火星、マリネリス峡谷の最新画像 [宇宙]

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火星、マリネリス峡谷のクローズアップ。ドイツ航空宇宙センターが10月22日に公開した。峡谷は長さ約4000キロで、太陽系最大の規模を誇る。

 赤道付近の高地で形成され、幅と深さの最大値は、それぞれ200キロと11キロ。アメリカのグランドキャニオン(約450キロ長、幅29キロ、深さ1.8キロ)と比較すると、その巨大さがわかる。

 欧州宇宙機関(ESA)の火星探査衛星マーズ・エクスプレスが、高解像度ステレオカメラ(HRSC)で観測。複数データを合成した着色画像の一部である。



世界最速のスパコン、省エネも実現 [コンピューター]

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2012年10月29日、アメリカ、エネルギー省傘下のオークリッジ国立研究所(ORNL)が、次世代型スーパーコンピューター「タイタン(Titan)」の運用を開始した。従来のプロセッサの限界を打破し、スピード、パワー、エネルギー効率ともに世界最高レベルに達しているという。

 ORNLのタイタンは毎秒2京回(20ペタフロップス)の計算能力を誇り、ユタ州ソルトレークシティで11月10日から行われる国際会議「SC(スーパーコンピューティング・カンファレンス)12」で発表される、世界最速スパコン「TOP500」リスト最上位の有力候補とされている。

 タイタンが1秒間に処理する計算を人間が行った場合、1秒に1計算のハイペースでも1000人で6万年かかるという。世界人口70億人がそれぞれ1秒に300万個の計算問題を解かなければ、タイタンと肩を並べることはできない。

 処理能力に優れたタイタンだが、省エネも実現している。タイタンと同様にシアトルに本拠を置くクレイ社が製造し、2008年にORNLに設置されたジャガー(2.3ペタフロップス)の消費電力は、小さな町に匹敵する7メガワットだったが、タイタンは9倍前後の処理能力を発揮するにも関わらず、約30%増の9メガワットに抑えられている。

「科学技術計算に必要な処理能力は増大する一方だが、エネルギー予算は変わらない。しかしタイタンならこのジレンマを解消できる」と、オークリッジのリーダーシップコンピューティング施設(Leadership Computing Facility)で科学ディレクターを務めるジャック・ウェルズ(Jack Wells)氏は話す。

◆テレビゲームの技術を転用

 タイタンの省エネ機能は、高性能でエネルギー効率の高いGPUがCPUをサポートするハイブリッド・アーキテクチャに基づいている。GPUは画像処理を担当する演算装置で、グラフィックやアニメーションに秀でた最新テレビゲームの心臓部と言っていい。

 テレビゲームで動物や兵士、スポーツ選手を生き生きと表現するためには、GPUで大量のデータを並列処理し、画面のピクセルを高速で更新しなければならない。前出のウェルズ氏は、「スパコンのパワーアップと省エネを両立するには、こうした処理能力が欠かせない」と話す。順次処理のCPUは1度に1つの計算を高速かつ柔軟に処理するよう最適化されているため、もしタイタンがCPUしか搭載していなかったとしたら、消費電力は3倍以上の30メガワット前後に膨れあがっていた可能性があるという。

 タイタンのアプローチは、エネルギー効率の高いスパコンを実現する唯一の手段ではない。カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)に設置されたIBMのBlueGene/Qスーパーコンピューター「セコイア(Sequoia)」は、6月に発表されたスパコンTOP500で首位となったが、省エネ設計の面でもトップを争っている。セコイアも最大処理能力20ペタフロップス、消費電力8メガワットとタイタンと同等のエネルギー効率を実現しているが、設計は異なり、多数の省エネ小型埋め込みチップが独自のシステムでネットワーク接続されている。最新トップ10中4機のシステムはBlueGene/Qだが、どれも独自設計のプロセッサを採用している。

 一方、ORNLと設計を受け持ったクレイ社は、タイタンにパソコンやゲーム機向けのメーカーが作ったプロセッサを採用。CPUにはAMD Opteron(コア数29万9008個)、GPUにはNVIDIA Teslaを使用し、ジャガーからのアップグレードには1億ドル(約80億円)の費用がかかっている。このアプローチにより、ORNLではテレビゲームで不可欠な高効率処理など、一般的なIT市場の最新技術を活用してエネルギー消費の効率を高めることに成功した。

「経済モデルに後押しされた成功だ」と、カリフォルニア州サンタクララに拠点を置くNVIDIA社の最高技術責任者スティーブ・スコット(Steve Scott)氏は指摘する。「スパコン業界の需要は大きいが、市場は比較的小さい。しかし、大規模なコンシューマー市場で活動するわれわれなら、多様な技術を利用してエネルギー効率の大幅アップやスパコンの高性能化を実現できる」。

「ゲームマシンとスパコンの用途は全く違うが、どちらも科学の進歩に貢献していることには変わりない」。



明滅する色彩、秋のオーロラ [宇宙]

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薄布のように空を包んで輝くオーロラ。アイスランド、シンクヴェトリル国立公園で9月10日に撮影された。

「今年、アイスランドではオーロラのシーズン(到来)が早かった」と撮影者のスノッリ・グンナーソン(Snorri Gunnarsson)氏は天文サイト「spaceweather.com」で述べている。オーロラの活動は周期的で、太陽の磁気活動の周期に合わせて約11年ごとにピークを迎える。次のピークは2013年と予測されている。

土星の嵐、信じがたい気温上昇を観測 [宇宙]

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ハリケーン「サンディ」が大規模な“フランケンストーム”に発達し、アメリカ東海岸を襲うことが懸念されているが、いくら大規模でも土星の記録的な嵐とは比べものにならない。


 2011年初めに発生した土星の巨大嵐は、地球より大きな範囲に雲を広げただけでなく、「これまで太陽系内で検出された中で最も大きく、最も高温の渦を成層圏に発生させ」、謎のエチレン大量発生を引き起こした。

 まだほかにもある。NASAの土星探査機カッシーニが検出した土星の気温は、一時局地的に摂氏84度も上昇するという「ほとんど信じがたい」ことが起きていた。これほどの気温上昇は太陽系ではかつて記録されたことがないと、NASAは10月25日付の発表で述べている。

 この極端な気温上昇は、冬のアラスカ州北部から夏のモハベ砂漠に瞬間移動するのに等しい。この気温差がちょうど摂氏84度くらいだ。

「この気温変化を検出したときは非常に驚いた。これほどの変化が観測されたことはかつてない」と、メリーランド大学の研究科学者でカッシーニ・チームの一員であるブリゲット・ヘスマン(Brigette Hesman)氏は述べる。「まったく予想もしていなかった結果だ」。

 土星の嵐は激しい風と雷を巻き起こし、ピーク時には幅1万4500キロの雲がこの巨大ガス惑星を一周した。そして極端な気温変化に伴い、炭化水素ガスのエチレンが大量に発生した。これは、土星大気中に従来わずかしかみられなかったメタンの副産物だ。エチレンがこれほど大量発生した原因はわかっていない。

「すべては下層大気中に発生した大規模な嵐によるもの」であり、下層大気では気温が高いため、水が凝結して雲になるとヘスマン氏は述べている。しかし、嵐がいかにしてこれほど多くの奇妙な現象を引き起こしたかについては「解明に何年もかかる見通し」だという。

◆土星探査の大きな成果

 土星は30年かけて太陽を一周し、それとほぼ同じ周期で大規模な嵐が発生する。2011年の巨大嵐は通常の周期より10年早く発生し、半年以上続いた。土星の軌道上を回る高性能の探査機によって観測されるのは、この種の嵐では初めてだ。

「カッシーニがこれまでに成し遂げた中でも最大級の発見と言える」と、カリフォルニア州パサデナにあるNASAのジェット推進研究所(JPL)でカッシーニ・プロジェクトの副サイエンティストを務めるスコット・エジントン(Scott Edgington)氏は話す。NASAと欧州宇宙機関(ESA)、イタリア宇宙機関(ASI)の共同プロジェクトであるカッシーニは、打ち上げから7年後の2004年に土星に到達した。

 かつてない急激な気温上昇の結果、土星の成層圏の気温は摂氏マイナス約54度を記録した。土星の内部大気は比較的高温になることもあるが、成層圏は地球でいうと長距離飛行の航空機の巡航高度と同程度の高さにあり、通常は非常な低温となっている。

 さらには、極端な気温変化により、土星にこれまでなかった化学反応が起きるようになった可能性もあるとエジントン氏は言う。メタンがエチレンに変化するほど大量に存在するというのは、土星では極めて異例なことだ。

◆木星の大赤斑より巨大な土星の渦

 ピーク時の嵐の大きさと強さは、主に赤外線観測によって明らかになった。赤外線観測では、光学望遠鏡には見えないものが見える。観測の結果、目に見える嵐が土星の対流圏に雲層に広がっていた一方で、嵐のエネルギーは数百キロ上方まで到達し、暖かい空気の巨大な“のろし”となって、対流圏の上の成層圏に食い込んでいたことが判明した。

 この“のろし”はいずれ分解し、冷えていくと予想されたが、2011年初めごろには分解するどころか合体して1つの巨大な渦をなし、一時は木星の巨大な大赤斑より大きくなった。

 エジントン氏によると、カッシーニは、ハワイとチリに設置された望遠鏡の助けを借りて、6カ月続いた嵐をかつてないほど綿密に観測することに成功したという。それでも、嵐の研究はまだ始まったばかりだ。カッシーニだけでも「われわれが調査に用いる機器を12台搭載しており、それらのデータをすべて統合して非常に特異なこの現象の全過程を解明する」。

 この土星嵐についての研究成果は、「Astrophysical Journal」誌の11月20日号(オンライン版では10月30日)に発表される予定だ。



1万人が選んだお菓子総選挙 クッキー・ビスケット部門 結果 [お菓子]

1位 不二家 カントリーマアム バニラ&ココア
2位 ヤマザキナビスコ オレオ
3位 ヤマザキナビスコ リッツ
4位 不二家 ホームパイ
5位 グリコ ビスコ
6位 明治 マクビティ ミルクチョコ
7位 グリコ クリームコロン
8位 明治 コパン
9位 不二家 カントリーマアム クリスピー
10位 明治 マクビティ ダイジェスティブ
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